こんにちは!
東久留米にある発達障がい児・グレーゾーンのお子さんも通える音楽教室を運営しているきじまです。
このブログを読んでくださっている方の中に
・自閉症スペクトラムと診断されたけれど、ピアノ教室を探している
・障害があるけれど、ピアノを習うことができないか
と、ピアノ教室を探されている親御さんがいらっしゃるのではないでしょうか。
実は我が子は自閉症スペクトラムと診断されましたが、幼児のときは私がピアノを教えていました。
小学生になる前に、ちょうど私の出産と転勤が重なり、出張で自宅まで来て下さる他のピアノの先生にお願いしました。
今回は、ピアノ教室を探されている方へ向けて、自閉症の子どもに合うピアノ教室はどのような教室なのか、我が子の体験談を踏まえてお話したいと思います。
自閉症の子供に合うピアノ教室は
・子ども自身がピアノに興味を持っているか(ピアノ教室を探す前の段階)
・余暇活動につながる活動をしているか
・講師が子どもの特性や性格を理解しているか
・自信につなげていく活動をしているか
・講師が子どもとの信頼関係を築くことを大切にしているか
がカギとなります。
自閉症の子どもに合うピアノ教室:そもそもピアノに興味を持っているか
ピアノを習うとき、親御さんが子どもをピアノ教室に通わせたいという気持ちが大きくて習うパターンがあるかもしれませんが、お子さんが本当にピアノに興味を持っているかが大事だと思います。
ここからは私の体験談になります。
我が子は私がピアノとリトミックの講師だったこともあり、子どもが6ヶ月からリトミック教室に通い始めました。(このときはまだ診断はもちろん、発達が遅れていると言われたことはありません)
ピアノの音や音楽が流れると、自然と音の方へと向かっていきました。
リトミックのときは音楽が流れるとダンスをしたり、音楽に合わせてマラカスを鳴らしていました。
我が子は歌を歌ったり楽器を演奏したりなど、音楽が好きなんだというのが伝わりました。
私はピアノ講師だったのもあり、我が子が4歳のときにピアノを教え始めました。
始めは楽しく弾いていましたが、他の先生に任せ、曲が難しくなるにつれ、本人は苦痛にやりたがらなくなりました。
確かにピアノは左右違う指を動かして脳に刺激を与える、表現を養ってくれる・・・などありますが、本人が苦痛になるほどピアノをやらせるかは別問題です。
なので、本当に子ども本人がピアノに興味があるか、ピアノをやってみたいかが大事になってくると思います。
自閉症の子どもに合うピアノ教室:余暇活動につながる活動をしているか
障害を持っているお子さんほど、余暇活動の過ごし方や支援をどうするかがポイントになってきます。
発達障害児・者が豊かな社会生活をおくるためには、充実した余暇活動が欠かせない。余暇を楽しむスキルが不足しがちな発達障害児・者の保護者に対しては、余暇活動の支援を行う必要があるだろう。また、発達障害児の保護者に対して行われた“余暇活動に関する意識調査”においては、「子どもに経験させたい余暇活動」として楽器演奏などの音楽活動が上位にあげられている(長谷川,2010)音楽療法を知る―その理論と技法-より
このように、“余暇活動に関する意識調査”において「子どもに経験させたい余暇活動」として楽器演奏などの音楽活動があげられています。
ピアノなど音楽スキルを身につけ、それを余暇活動として活かしていくことができます。
自閉症の子どもに合うピアノ教室:講師が子供の特性・性格を理解しているか
お子さん一人一人の特性・性格はそれぞれだと思います。
私自身は音楽療法を勉強し、我が子を実際に育てているので、我が子の特性や性格は理解しています。
我が子のピアノレッスンを他の先生にお願いするとき、我が子の障がいのことをお伝えし、了解を得たうえでのレッスンになりました。
しかし、レッスンの難易度が上がると、我が子も丸になって次の曲にすすみたい、ピアノの先生はまだ丸にはできない、お互いに譲らないというレッスンになりました。
当然、ピアノを習っている我が子は楽しくはなく、レッスンのたびに泣きわめき、苦痛なものとなりました。
定型児のお子さんの場合は、ピアノがうまく弾けなくて泣く、そのあとたくさん練習することにつながるとは思うのですが、自閉症の我が子は、丸にならなくて否定されたと思い、レッスン中はずっと泣きながらピアノを弾いていました。
その後は転勤と同時にピアノをやめました。
それでも我が家にはピアノがあるのですが、我が子は自分が弾きたいときに弾いています。
そのときは本当に楽しそうに弾いています。
ピアノを教える上では、ピアノの技術はもちろん大事になりますが、子どもの性格や特性によってピアノのレッスンが苦痛になっていないか、またピアノの先生は子どもの性格や特性によってピアノのレッスンの仕方をアレンジすることが必要だと感じました。
自閉症の子どもに合うピアノ教室:自信につなげていく活動をしているか
自閉所スペクトラムのお子さんは、一生懸命やってもうまくいかなく自信を失う傾向があります。
自信を失った先にあるものは、二次的障害というものになります。
二次的障害とは・・・
二次的な問題(二次障害)は本人が受ける過剰なストレスやトラウマが引き金となって生じます。自閉スペクトラム症の特性があることによって、保護者や教師から過剰に叱られ続ける、同世代の子どもたちから仲間はずれになる、からかわれる、学校の勉強についていけなくなるなど、生活の中で失敗や挫折を味わうリスクが高くなります。「一生懸命やっているのにうまくいかない」「わたしはダメな子なんだ」と自信を失い、身体症状(頭痛、腹痛、食欲不振、チックなど)や精神症状(不安、うつ、緊張、興奮しやすさなど)を生じ、不登校やひきこもり、暴言・暴力、自傷行為などに発展する可能性があります。このような二次的な問題が起きると、周囲から否定的な目でみられて理解を得ることがますます難しくなり、一層ストレスが増大するという悪循環に陥りかねません。
自閉スペクトラム症への対応で最も大切なことは、できるだけ早く子どもの特性に気づいて理解・支援し、ストレスを感じにくい生活習慣や環境を整えて、二次的な問題を最小限にとどめることにあります。
自閉スペクトラム症の二次障害を防ぐ | すまいるナビゲーター | 大塚製薬 (smilenavigator.jp)
このように自閉症スペクトラムのお子さんは、自信がなくなると二次的障害につながることが、この引用から分かると思います。
この二次的障害を防ぐためには、特性や性格の理解もありますが、自信につなげられるような活動をするのも一つの手です。
ピアノは指を動かし、左右違う指の動きをする、リズムや音符、指番号・・・とピアノを弾くためには、左右別々の指を動かすこと、リズムや拍感(数字)を理解すること、音符を読むことなど、これらを同時にやるので、やるべきことがたくさんあります。
マルチタスクな部分がたくさんあるピアノですが、その分、挫折を味わいやすい部分もあります。
そう感じさせないために、一つ一つ課題をクリアして自信につなげていくことが大事になります。
自閉症の子どもに合うピアノ教室:講師が子どもとの信頼関係を築くことを大切にしているか
お子さんが何かしらの習い事を始めるとき、初めての場所や初めての人に会って話をするのはとても緊張し、警戒すると思います。
それは私たち大人もそうだと思います。
さらに障害をお持ちのお子さんはコミュニケーションに課題を抱えているお子さんが多いです。
初めのうちは、うまくやりとりができない場合があります。
自閉症スペクトラムのお子さんはピアノの上達よりもまず、信頼関係を築くことから始まります。
お子さんが、この人(先生)は安心できるというできるという信頼がピアノのレッスンを続けていくことで大事になっていきます。
この信頼関係を築くのには時間がかかりますが、先生が時間をかけて信頼関係を築いていこうという姿勢を見せているか、これもピアノ教室選びには大切にしたいです。
自閉症の子どもがピアノ教室に合っているか気になる方は
私が運営している教室は障害児専門の音楽教室です。
そして私は、自閉症スペクトラムと診断された子どもを育てております。
障がいの特性を理解しているので、気になる方はお問い合わせください。
自閉症の子供にピアノを習わせたい!どんなピアノ教室が良いか【体験談付】:まとめ
以上、自閉症の子供にどんなピアノ教室が良いかでした。
いかがでしたか。
子どもがピアノに興味を持っているか、その上でお子さんに合う教室選びをしていきたいですね。
少しでも参考になれたら幸いです。
2022.2.14